私たちの社寺建築

中村建築研究所の技術

紋イメージ

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社寺建築を支える、高度な構造設計

社寺建築のような⽊造伝統⼯法による⼤規模な建築物は、住宅または鉄筋コンクリート造や鉄⾻造の建築物と異なり、なかなか構造計算によって安全を確かめるといったことができずにおりました。しかしながら、地震による倒壊や損傷が⼼配される今⽇、社寺建築を専⾨とする私たちはお施主様へより⼀層の安⼼をご提供するために、構造計算⼿法の確⽴に向けて、積極的に研究・実験を⾏っております。
現時点では、全ての社寺建築物に対して計算による安全確認を⾏うことは建築条件の相違によってできませんが、すでに限界耐⼒計算を⾏ったうえで、耐震補強⼯事を⾏った寺院様もございます。今後は、研究機関の先⽣や構造設計⼠にご協⼒いただきながら、より多くの実験データの収集をおこない研究を深めて、様々な状況に対応できる構造計算の⼿法を確⽴してまいります。

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伝統的な大規模建築を実現する新工法

東京⼤学⼤学院⽊質材料学研究室 稲⼭准教授(⼯学博⼠)との共同研究にて伝統的な⼤規模⽊造建築(⾼さ13mを超える)を建⽴する事が可能になりました。 建築基準法によりコンクリート造、鉄⾻造にしなければならない⼤規模な建築物も⽊造にすることができるようになりました。
独⾃開発の『ウルトラ貫板壁』により、板間の接合部や、柱・梁・⼟台への加⼯を⼯夫する事で、材質等を変更することなく、⾼い剛性と耐⼒を発揮することが可能です。地震や⾵圧への強さ(耐⼒)を⽰す数値として「壁倍率」があり、1mの壁幅で200㎏fの⽔平荷重に対する耐⼒があれば「壁倍率1倍」とされています。これまでの⼀般的な落とし込み板壁では0.6倍でしたが、この「スーパー板壁⼯法」では、⽊造として国内で初めて10倍超に相当することが確認されました。 (公的機関((財)⽇本住宅・⽊材技術センター)における実⼤実験により確認)
伝統⽊造建築であれば、当⼯法とほぼ同じ規格の柱の太さや壁の厚さを採⽤しているため、従来とほぼ同等のコストでの施⼯が可能です。
この、⾼い剛性と耐⼒を有する「スーパー板壁⼯法」は、耐震性を確保しながら壁の設置箇所数を2分の1程度に低減することが可能なため、外壁⾯の間⼝開⼝を⼤きく確保できます。新築物件に加えて既存建物の耐震補強にも適⽤可能であり、設計に⾃由度を持たせることで建物の付加価値を⾼めます。
伝統⽊造建築以外にも、柱サイズが6⼨⾓(180mm)以上を採⽤している⼤型⽊造建物であれば、新築や耐震補強にも適⽤が可能です。

独⾃開発の耐⼒壁
『ウルトラ貫板壁』

財団法⼈⽇本住宅・
⽊材技術センター(試験成績書)

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伝統的建築物の地震対策
・振動特性実験

伝統的建築物の地震被害低減に関する研究の必要性のもとで、正源寺(⻑野市七⼆会)本堂の改修⼯事において、改修前・施⼯中・改修後の振動測定を⾏い振動特性・建物の剛性の変化を研究しました。
建築後200年あまり経つ本堂は柱が5cm傾いている箇所や、建物全体に痛みが確認されていたが、今回の改修⼯事(壁の塗り替えや、⾻組みの修理)により修復しました。
結果、改修前と改修後では、伝統的建築物の主要な構造やその特性を⼤きく変えることのない範囲で、建物全体の剛性を⾼めることができる事を証明できました。
伝統的建築物の地震による被害が⼼配される中、お施主様により安⼼していただけるような提案、設計ができるよう伝統的建築物の構造や特性をより深く追求してまいりたいと考えております。

正源寺(⻑野市)本堂の事例

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貴重な木材を最適に使い、再利用する技術

伝統的建築物の地震被害低減に関する研究の必要性のもとで、正源寺(⻑野市七⼆会)本堂の改修⼯事において、改修前・施⼯中・改修後の振動測定を⾏い振動特性・建物の剛性の変化を研究しました。
建築後200年あまり経つ本堂は柱が5cm傾いている箇所や、建物全体に痛みが確認されていたが、今回の改修⼯事(壁の塗り替えや、⾻組みの修理)により修復しました。
結果、改修前と改修後では、伝統的建築物の主要な構造やその特性を⼤きく変えることのない範囲で、建物全体の剛性を⾼めることができる事を証明できました。
伝統的建築物の地震による被害が⼼配される中、お施主様により安⼼していただけるような提案、設計ができるよう伝統的建築物の構造や特性をより深く追求してまいりたいと考えております。

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