中村建築研究所の品質
まずは診断・調査から
設計の前提として、現状の境内全体を把握して、法的なチェックを⾏い、地質調査により地盤の状況を把握します。接続する建物の建⽴時期に応じて、接続⽅法等の検討も必要になります。その他にも道路との接続状況、敷地境界、インフラの状況等を調査します。
また、寺院様へは、実績寺院への⾒学会をご提案しています。実際に建物を⾒て実感していただき、⼯事を経験された御寺院様のお話やご意⾒を伺います。建設⼯事のことだけでなく、⼀連の経緯を伺うことはとても参考になると、⾒学実施をされた寺院様から御意⾒を頂戴しております。
基本調査
既存建物の平⾯図測量、柱の径測定、腐⾷箇所の写真撮影、⼩屋裏の状況確認、床下の状況確認、床のレベル測定、柱の傾斜測定などを⾏います。
各種調査・診断
耐⼒壁による耐震診断、構造材の材料強度測定、詳細測量(仮設⾜場をかけて)建築基準法との照らし合わせなどを⾏います。また、敷地測量、地盤調査、⽩蟻調査、設備機器点検など必要に応じて、専⾨機関の紹介と、アドバイスもさせていただいております。
設計に対する姿勢
最終的な設計図は、施⼯者が間違いなく作るための約束事を⽰した書類です。ただ、図⾯は完成形を表しています。設計者は、頭の中にある完成形をいかにお施主様と共有できるかが腕の⾒せどころです。
建築は五感で感じるもので、完成時の⽊の⾹りや真新しい畳の⾹り、御経や祝詞の響き、柱の肌触りとその空間に居るだけで荘厳さを体感することができる、この感覚も設計⼠のイメージに含まれます。
完成した時には、「想像を少し超えている」ことが⼀番良いと考えています。想像以下では、問題になりませんが、全く想像以上と⾔われてしまうとこれも説明不⾜だったのか、伝え⽅が違っていたのかと反省する点になります。そのため、「お施主様の想像の少し上」を理想としています。
設計の段階は「基本設計」と「実施設計」に分けられますが、「基本設計」とはその名の通り、基本的な図⾯作成であり、お施主様⽤の図⾯です。
この「基本設計」を完成させるために、⽴地・⽅位・気候・⾵向き・雪の状況・地盤状況・⾬⽔排⽔状況・既存建物との関係性、給排⽔の状況、⾞の乗⼊…など、あらゆる条件を配慮する必要があります。
このときに⼤事なことは、現在建物を使⽤している⽅々のご意⾒です。使い勝⼿や利便性にさまざまな問題を感じていらっしゃることを、丁寧にヒアリングいたします。「こうしたい」というご意⾒も、その理由を綿密に伺うことで、最善なプランをご提出していきます。
当社の設計業務
- 建物を造るための図⾯作成
- 基本設計図:施主様側の意図の確認する図⾯
- 実施設計図:造り⼿⽤の図⾯(各業者ごとの分類)
- ⽴地条件の調査
- 気候・⽅位・平地か⼭地か・多雪地区・沿岸地区
- 多雪地域ならば、雪の処理⽅法、メンテンナンス⽅法の検討
- ⽇当たりによる、融雪状況を考慮し、⾬⽔排⽔⽅法の選定
- 沿岸地域ならば、防錆材の使⽤、⾵向きによる仕上げ材の選定
- 傾斜地ならば、湧⽔の処理、⾬⽔排⽔経路の検討
- 背⾯側の湧⽔しやすい箇所の外構⼯事の検討 等
- 既存建物の調査
- 社寺建築の場合、往々にして計画建物以外に古い建物があり、建築基準法が出来る 前の建物の場合、今の法律には適合しておらず、図⾯もない場合があるので、申請⼿続きに際しては基本的に図⾯が必要
- 申請については、敷地単位で申請する為、敷地内の建物⾯積は最低限必要
- 寺院建築の場合は、軒の出も⼤きいので軒の出も測量
- 法律の順守,説明、各種⼿続き
- ⼯事を⾏う際の各種⼿続き・確認申請・届出
- 構造検討
- 建築基準法は最低限の基準
- 建物形式にあった構造⽅法のご提案
- ⽊造・⼤断⾯集成材構造・RC造・S造のご提案
- 地質調査の実施、結果による基礎形式のご提案
- デザイン
- 構造・耐久性を前提としたデザインのご提案
- 材料選定
- ⽊造の場合、適材適所の材種のご提案
- 耐久性・美観・予算を考慮し主要材の⼿配、乾燥養⽣、納⼊まで
- 予算書の作成
- 基本設計時に概算⾦額をご提⽰
- 建物だけではなく、外構⼯事、仏具費、備品類まで総事業費の検討
その他に当社では、今までの実績寺院の趣意書サンプルが多数あり、趣意書作成も⾏っております。
社寺建築で重要な材木調達
設計の前提として、現状の境内全体を把握して、法的なチェックを⾏い、地質調査により地盤の状況を把握します。接続する建物の建⽴時期に応じて、接続⽅法等の検討も必要になります。その他にも道路との接続状況、敷地境界、インフラの状況等を調査します。
また、寺院様へは、実績寺院への⾒学会をご提案しています。実際に建物を⾒て実感していただき、⼯事を経験された御寺院様のお話やご意⾒を伺います。建設⼯事のことだけでなく、⼀連の経緯を伺うことはとても参考になると、⾒学実施をされた寺院様から御意⾒を頂戴しております。
監理業務の徹底
⼀般的には、設計図通り施⼯されているか確認することが監理業務になります。当社では、ご要望に応じて、施⼯業者様の⼿配、⼊札・⾒積合わせの段取りを⾏っております。伝統建築であるため、施⼯業者の選定は⾮常に重要であり、実績の⾼い施⼯業者様をおすすめいたします。また、檀家様の中に⼯事業者がいらっしゃる場合、事前にお伺いして建設委員会等での検討を反映した形での対応を⾏なっております。
⼤きな流れとしては、施⼯業者様に現場で図⾯をお渡しし、お⾒積依頼をする『現場説明会』を実施し、期限を決めて、⼊札・⾒積の提出を⾏います。ご提⽰された⾦額が希望予算に達していれば、⼀番良い業者様に決定します。希望予算に達していない場合は、⼀番希望額に近い業者様と交渉を⾏います。
完成後は定期的な建物診断を
建物も⼈間と同じように、健康診断を⾏い、早期発⾒で適切な⼿当てを⾏うことが⼤事です。⼈の場合、毎年のように⼈間ドックや健康診断を受けますが、建物は⼈間よりも寿命が⻑いため、検査の間隔も⻑くなります。ただ、⾬漏りや⽩蟻の被害がわかった場合には、早急な⼿当てが必要です。対応が遅れれれば遅れただけ、被害が⼤きくなり、⼯事費も⼤きくなる傾向にあります。
本堂を新築した場合は、今後300年以上の耐久性がのぞめますが、こまめに⼿を⼊れていると当然耐久年数も伸びていきます。当社では、完成後も1年検査を実施し、その後も3年、5年と検査を⾏うほか、折に触れてお伺いし、状態を確認するようにしております。